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離婚慰謝料もらったけど,不倫慰謝料もらえる??

 配偶者の浮気が発覚して,離婚を決意した際,その離婚手続きの中で慰謝料を請求することは少なくありません。

 しかし,離婚にともなう慰謝料をもらった場合,別途不倫慰謝料を請求することはできるのでしょうか。

 不倫についての慰謝料は,大きくわけると2種類あります。

 1つ目が,不貞慰謝料です。これは,不貞行為(不倫)をしたこと自体に対する慰謝料です。

 この不貞慰謝料は,①不貞行為をした配偶者に対する請求と,②その配偶者の不貞相手(不倫相手)に対する請求の2種類あります。

 この2つについては,順にみていきますね。

 まずは①の不貞慰謝料についてです。

 この不貞慰謝料の根拠はなんでしょうか。

民法には,以下の定めがあります。

民法752条 夫婦は同居し,互いに協力し扶助しなければならない。

 この規定から,法律上,夫婦には同居義務・協力義務・扶助義務があるとされています。

 これらの義務の他にも,夫婦には貞操義務があると言われています。貞操義務とは,夫婦が互いに性的純潔を保つ義務のことです。つまり,配偶者以外の者とは,性的な関係をもたない義務ということですね。

 実は,この貞操義務自体は,法律上定められた義務ではありません。しかし,配偶者の不貞行為を法律上の離婚原因としていること(民法770条1項1号),重婚を禁止していること(民法732条,刑法184条)などから,解釈して,夫婦の貞操義務は法律上の義務とされているのです。

 法律上の義務を犯すと,不法行為(民法709条)になりうるのです。そして,不法行為を行ってしまうと損害賠償義務が発生します。

 不法行為に基づく損害賠償請求を行うための要件はザックリと以下の4つです。

 ア)故意または過失 

   故意:わざと,知りながら

過失:知らなかったことに落ち度がある場合。知ろうと思えば知ることが出来る状態

 イ)加害行為

   他人の権利または法律上保護される利益を侵害する行為

 ウ)損害の発生

 エ)加害行為と損害の間の因果関係

   加害行為に「よって」損害が発生したという関係性のこと

 つまり,配偶者に対する不貞慰謝料というのは,

 ア)配偶者自身が貞操義務があることを知りながら

 イ)それに違反する行為(不倫)をして

 エ)その行為をされたことによって

 ウ)傷ついた,平穏な家庭を壊されたこと

 を証明することによって,請求することができるものです。

 次に②不貞相手(不倫相手)に対する請求についてです。

 この根拠はなんでしょうか。

 これも同様に不法行為に基づく損害賠償請求です。端的に言えば,配偶者がいる人と肉体関係をもったら,その配偶者はいやな気持ちになりますよね。その精神的苦痛に対する慰謝料です。上記の不法行為の要件に当てはめると

 ア)その女性が配偶者がいることを知りながら(薄々感づきながら)

 イ)自分の配偶者と肉体関係(不倫関係)をもって

 エ)自分が事実を認識したことによって

 ウ)傷ついた,平穏な家庭・夫婦関係を壊されたこと

を証明することによって,請求することができます。

 不倫についての慰謝料2つめは,離婚慰謝料です。

 これは,不貞の結果,離婚をせざるを得なくなってしまったことに対する慰謝料です。もちろん請求相手は不貞をした配偶者です。

 根拠は同様に不法行為に基づく損害賠償請求権なのですが,では上記の①とは違うのでしょうか。

 非常に重なる部分があるのですが,厳密に考えると異なります。

 上記①は「浮気されて傷ついた」「浮気されて家庭が壊れた」ということに対する慰謝料です。

 しかし,離婚慰謝料は「離婚をしなければならなくなって傷ついた」ということに対する慰謝料です。

 どちらかといえば,不貞慰謝料よりも離婚慰謝料の方が高額になります。離婚までするのですから,損害の程度は大きいですものね。

ここまで整理できたところで,

離婚慰謝料をもらったけど,不倫慰謝料はもらえるの??

という冒頭の疑問について考えていきます

 厳密に考えると離婚慰謝料と不倫慰謝料は,重なる部分があるものの,異なるものということは上記のとおりです。

 しかし,実際には離婚慰謝料を請求する場合には,その中に不貞慰謝料も包含していることが大抵です。また,不貞だけを理由に離婚をする夫婦も中にはいるでしょうけれども,離婚の理由は複合的な場合が多く,不貞のみならず,DVやモラハラ,パワハラ等の加害行為がプラスされて,慰謝料の金額を決めています。

 したがって,配偶者に対して,離婚慰謝料とは別に不倫慰謝料を請求できるか,というと難しいということになります。

では,不倫をした相手に対してはどうでしょうか。

 配偶者からは離婚慰謝料を受け取ったけれども,不倫をした相手に対しては別途不貞慰謝料を受け取ることができるのでしょうか。

 ここでは,共同不法行為(民法719条1項)という民法上の規定について考えなければなりません。

 民法719条1項

数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。

 不貞行為というのは,不倫相手と配偶者の2名によるあなたに対する共同不法行為です。

 あなたの「傷ついた」という損害は,配偶者と不倫相手の2名によって行われた不倫という加害行為によって発生したものなので,その「損害を賠償する責任」は「各自が連帯して」負うことになっています。

 「連帯して」とは,不真連帯債務のことで,数人の債務者が同一の内容の債務に対して,独立して全責任を負うことを意味します。つまり,配偶者も不倫相手も,それぞれが独立して,あなたが負った精神的苦痛についての損害に全責任を負うこと意味します。

 たとえば,あなたが配偶者の不倫を知って傷ついたその損害の金額を200万円とします。

 そうすると,配偶者も不倫相手もそれぞれがあなたに対して200万円の損害賠償をする責任を負うということになります。

 これは裏を返せば,あなたは,配偶者と不倫相手いずれに対しても200万円の損害賠償請求をすることができるということを意味します。

 しかし,あくまでもあなたの損害は200万円です。例えば,配偶者から200万円を受け取ったならば,不倫相手に対しては1円も請求することができません。賠償金を二重取りすることになるからです。

 そうすると…

 離婚慰謝料をもらった場合,不倫相手に対して,別途不貞慰謝料を請求することができるかというと,非常に微妙なことになってきます。

 離婚慰謝料が複合的な意味合いを持つ場合,離婚慰謝料でもらった金額の内訳が明らかではないので,その中に不貞慰謝料としての性質の金額がいくら含まれているかわからないからです。

 とはいえ,実務上は1円も請求できないということはあまりなくて,離婚慰謝料で相当な金額を受け取っている場合には,不貞相手に対する不貞慰謝料の金額はとても低くなりますが,いくらかは請求していることの方が多いです。

 かなり技術的な部分なので,万が一,配偶者の不貞が原因で離婚をする場合,不貞慰謝料の請求と離婚慰謝料の請求の先後やその金額設定などは,弁護士にしっかり相談することがおすすめです。

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鹿野 舞 弁護士
弁護士法人 エース
代表弁護士鹿野 舞
所属弁護士会第一東京弁護士会

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